右ヒジ周囲の筋肉の張りで一時戦列を離れていたものの、ここまで山口俊はキャリア最高のシーズンを送っている。7月を終えた時点(7月30日に一次登録抹消も、8月12日の
広島戦で復帰)でセ・リーグトップの11勝、勝率.846、防御率2.55、131奪三振と投手部門4冠に立っていた(8月15日時点では防御率は2.78で4位、奪三振は135で2位)。3、4月度、6月度と2度の月間MVPにも輝いた今季は、首位を走るジャイアンツの紛れもない柱だ。
象徴的だった試合は7月6日の
DeNA戦(東京ドーム)。防御率、勝利数など各タイトルを争う
今永昇太との投げ合いに132球、8回2安打2失点、12奪三振の熱投で投げ勝ち、9勝目。まさに今季は“山口の年”と印象づけた。8年ぶりのオールスターにも出場(監督推薦)。7月30日の広島戦(東京ドーム)では8回途中5失点も11勝目。
原辰徳監督の通算1000勝を飾るメモリアルな白星となった。DeNA時代の2016年(11勝)に並ぶ自己最多の勝利数にも、「自分の勝ちにこだわっていない。負けないということを一番意識している。どうやったらチームが勝つか。勝ちがついてくるのはおまけだと思っている」と献身的な姿勢を貫いている。
頼もしい右腕に原監督も「どういう状況であっても弱音をはかず。彼の1日1日の練習、野球に向き合う姿勢は若い投手たちのお手本になりながら、素晴らしい結果を残してくれています」と賛辞を惜しまない。「シーズン通して活躍することが大事」と山口。一時離脱はあったものの、念願のプロ初タイトルへ、終盤戦もフル回転する。
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