助っ人の補強は前評判と異なることが多々ある。ただ、今年7月に
ロッテに新加入したマーティンはいい意味の想定外だった。
「パワーもあるが足が速くて肩も強く、守備もうまい。外野の層を厚くしたい」と
松本尚樹球団本部長。メジャー通算58本塁打、228打点と打の実績は十分だが、31歳の今季はインディアンスで65試合、打率.199と打撃不振もあり6月にメジャー40人枠から外れ、日本に活躍の場を求めた。球団側はMLB通算126盗塁の足と最速93マイル(153キロ)を投げる強肩は健在と見て、総合力で獲得に到った。
ただ、一番目立ったのはその打力だ。7月26日の
楽天戦(ZOZOマリン)でデビューすると6試合で3度、お立ち台に上がる。出場42試合目となった9月11日の
オリックス戦(同)では来日初の1試合2本塁打となる13、14号。この時点で143試合に換算するとシーズン47本塁打ペースだ。
一方、外野守備ではレーザービームでファンを驚かせたが、最悪の失態も犯してしまう。9月6日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で来日初の中堅を任され、まさかの2落球。いずれも失点につながり、「野球人生最悪の1日だった」と落ち込んだ。だが、翌7日の同カードでは2点リードの6回無死、ダメ押しとなる11号2ラン。バットでミスを取り返した。
「日本の野球にしっかり対応することができていた」と
井口資仁監督。守備での凡ミスには目をつぶれるほど、パワーは魅力満点である。
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