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日本ハム・有原航平 芽生えたエースの自覚と夢のために/開幕投手は任せろ

 

2020年の開幕投手を担うのはこの男しかいない


 候補は1人しかない。今季の最多勝右腕・有原航平だ。心身ともに成長著しかった2019年シーズンの活躍は見る者を圧倒した。150キロ台中盤の直球にカットボールとツーシームで内角を突く。ウイニングショットはフォークとチェンジアップ。押し引きもできる本格派であり、技巧派でもある多面性のある豪腕は打者に的を絞らせなかった。

 重ねた勝利数はキャリアハイの15勝。2ケタ勝利は入団5年目で3度目だが、ようやく殻を破った感じがある。これまでは高いポテンシャルを持て余していた。好投していても突如崩れ、大量失点を招くケースが多かった。「これ以上は点を取られるとまずいなというところを今年は粘れた」という。

 大きなエンジンの暴走を制御する、心の成長が飛躍のポイントの1つだった。「たくさんの人にアドバイスをもらいましたし、そういうアドバイスを自分の投球に生かせた」。今季限りで現役を引退した田中賢氏や同学年の西川ら打者目線の助言は投手としての視野を広げてくれた。

 エースの自覚も芽生え、一野球人としての今後の展望も開けた。契約更改交渉の席では来オフにメジャーへポスティングで移籍したいという希望を球団にも伝えた。「そのためには、しっかりと成績を残さないといけない」。まず、見据えるのは来シーズンの開幕戦。大役を務めれば17年以来2度目となる。「前回は勝てなかった悔しさはそこでしか晴らせない」。すでに照準は開幕に合わせている。

写真=BBM
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