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広島・上本崇司内野手 守備の職人がバットで存在感/このままでは終われない

 


 守備のスペシャリストが今季へかける思いをバットに込めている。上本崇司は2018年には59試合に出場も、昨季は主に代走、守備固めとして31試合と出場機会を減らし、打率.143、0本塁打、0打点に終わった。昨年まで紅白戦などでも出場が守備だけで終わることが多かった。「思い返してみると悔しかった。反骨心ですね」。打撃力向上に、強い覚悟で踏み切った。

 春季キャンプから打撃でアピールを続けた。オープン戦出場8試合で、9打席と少ないチャンスを生かし、4打数3安打2打点。3月の練習試合は5試合で13打数5安打と好調をキープ。打席に立つ機会が増え、「うれしいです。朝山打撃コーチが(春は)打席に立たせないことはしないと言ってくださった」。内外野を守れる守備の職人がバットで存在感を示した。

 悔しさをバネに、昨秋から新たな練習方法に取り組んだ。 會澤らの助言もあり、ヘッドの使い方を意識し、ボールの内側からバットを振ることを徹底。マシン打撃では体を少し開いた状態で、ボールの内側にバットを出している。「内から入っておけば、ちょっと遅れてもファウルにできる。ファウル目的ではないですけど、良い打球も打てる」。ティー打撃も同様に体を開き、高めの球を打つ。そして体を閉じた状態で、内角高めの球を打つ。「遊び感覚で自然に身につけるようにやっています」。打撃練習をルーティン化することで意識付けし、打撃力向上に努めてきた。

 勝負はこれからだ。上本は今季の目標について「打って出塁」を掲げた。プロ8年目、今年で30歳となる男が、「反骨心」を胸に、新境地を開いていく。

写真=BBM
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