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西武・松坂大輔 レジェンド右腕に集まる期待感/注目の新戦力

 

14年ぶりに西武へ復帰した松坂


 注目度でいえばこの男の右に出る者はいない。14年ぶりに戻ってきた“故郷”で、どのようなマウンド姿を見せてくれるのか。西武ファンだけに限らず、日本中が関心を寄せていると言っても過言ではない。昨季は中日でプレーしたがキャンプ中に発症した故障の影響で、2試合に投げて0勝1敗の成績に終わっているだけに、本人の今年にかける意気込みはひとしおだ。

 思いの強さはキャンプ中から表れていた。昨年の二の舞は演じないと、慎重に慎重を重ねて体の状態を確認。「どれだけ時間がかかっても、『これぐらい投げられれば、もう次に行ける』という自分の中の感覚が出てくる前に(取り組みを)スキップすることはない」と決して焦ることはしなかった。その中で、肩ヒジの状態も良好で、しっかりと土台を固めると、実戦ではチームメートのニールから教わった新球『スプリット・チェンジアップ』を早速レパートリーに加える技量も見せるなど、極めて順調にオープン戦登板も重ねた。通常どおりであれば、開幕先発ローテーション入りに当確ランプが灯っていた。

 とはいえ、開幕延期を決して悲観することはない。延びた期間を有効に使い、3月下旬には右ヒザに注射を打ち、さらなるコンディション向上に努めた。6月7日には中日との練習試合(メットライフ)に登板。4対1と3点リードの6回、3番手でマウンドへ。先頭の高橋周平にストレートの四球を与えたが、続く3人を打ち取って1回を無安打無失点。直球の最速は136キロだったが、動くボールを主体に相手を封じ込んだ。久しぶりの登板で「今日は試合勘を取り戻し、打者と対戦することで感覚を思い出す作業がメーンでした」と松坂はコメントした。

 正式に6月19日が開幕に決まった。いよいよ始まるプロ22年目。開幕二軍スタートが濃厚だが、松坂が2006年以来となるライオンズでどのようなシーズンを過ごすのか、胸が高鳴る。

写真=BBM
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