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楽天・松井裕樹 先発としてチームに貢献する/待ち焦がれた「6.19」

 

今季から先発に再転向


 松井裕樹はしなやかな腕の振りから、キレのある直球を投げ込んだ。6月6日のロッテとの練習試合(ZOZOマリン)で先発し、3回1安打無失点に抑えた。

 課題の立ち上がりで、スキを見せなかった。先頭の福田秀を直球で空振り三振。続く荻野は変化球で見逃し三振と、三者凡退に抑えた。「初回を3人で抑えたのは(チームの活動休止中に)いい過ごし方ができたからだと思う」。

 今季から先発に再転向も、なかなか結果は出なかった。オープン戦は3試合に先発し、計8回を投げ9失点(自責7)。先発として長い回を投げようとする意識が強過ぎたのか、圧倒的な投球は鳴りを潜めた。一番の課題は、立ち上がり。3月27日の巨人二軍との練習試合(森林どり泉)では1回5安打6失点でKOされた。

 その3日後、新型コロナ禍でチームは活動休止に。だが自粛期間を無駄にしなかった。打ち込まれた際の映像を何度もチェック。修正点に気がついた。それは「ボールをリリースする際に、力むタイミングを遅らせる」ことだった。

 不調時は、ボールをリリースする前から「力み」があり、踏み込む右足が突っ張っていた。「感覚的にはボールを投げ終わってから力を入れるぐらいでちょうど」。力むことを遅らせるという意識を持つことで、右足の突っ張りも軽減。スムーズで、しなやかなフォームにたどり着いた。

「体の使い方が良くなり、ボールの質、回転も良くなってきた」と伊藤投手チーフコーチ。左腕は「チームの優勝に貢献したい」と闘志を燃やす。抑えではなく先発として、特別なシーズンを戦う。

写真=BBM
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