シーズン開幕後に“変身”を遂げた。G.パーラは開幕直後にアーチを量産し、驚かせた。
開幕2戦目の6月20日の
阪神戦(東京ドーム)の7回、谷川から右翼席中段へ特大の1号3ランを放った。これが練習試合などを通して来日後の初アーチ。「やっとシャークダンスを思い切り踊れて良かった」と味方ベンチでも大盛り上がりだった。さらに翌21日の第3戦で右翼席へ2号2ランをたたき込んだ。
その後は当たりが止まったかに見えたが、27日の
ヤクルト戦(神宮)では、17打席ぶりの安打を3号2ランでマーク。「どんなボールが来ても、しっかりミートすることを心掛けた」との言葉とは対照的な豪快な一発だった。
昨季、ナショナルズで世界一に輝いたベネズエラ出身の新助っ人は、メジャー通算1466試合で1312安打、88本塁打。2月の春季キャンプ中の対外試合でパーラがファウルで粘って12球目で二塁打を放った際に、
原辰徳監督が「本来、ああいった形の選手だと僕は思っている。コンパクトに難しい球をカットしながらしつこく」と言ったとおり、「中距離打者」という前評判だった。打順は開幕2カード目の第3戦に当たる25日の
広島戦(東京ドーム)で五番に座ったが、これ以外では六、七番での起用が中心だ。
3本塁打以降、本塁打数こそ伸びていないが、7月9日時点で15試合出場、15安打に10打点とスタートダッシュに成功したチームに貢献している。選手だけでなく原監督ら首脳陣も両手を上下にたたく「シャークダンス」でベンチに迎えるシーンもおなじみに。開幕とともにベールを脱いだ下位に座る怖い“助っ人”が、強力打線に厚みを持たせている。
写真=小山真司