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日本ハム・河野竜生投手 狙うは新人王!負けず嫌いなドライチ左腕の野心/ルーキー中間報告

 

ルーキーながら先発ローテの一角として奮闘している河野


 ドラフト1位の矜持が詰まっていた。7月12日のオリックス戦(京セラドーム)で先発マウンドに立ったのは河野竜生。相手の先発は山本由伸。飛ぶ鳥を落とす勢いの同学年右腕との投げ合いで、河野は7回1/3を投げて、8安打を浴びながら2失点(自責1)と粘った。最終的には完投勝利を挙げた山本に及ばずに負け投手となったが、必死に投げ込んだ119球は、それまで投打で低迷していたチーム全体を刺激するインパクトがあった。

 強気で負けず嫌い。河野の最大の魅力だ。山本との投げ合いでは「圧倒している感じがした。すごいなって思いました」と試合後には冷静に、高卒で先にプロ入りして頭角を現した右腕へ敬意を持ちながら振り返ったが、試合中は「負けたくないという意識で投げていた。それがまだ結果につながらなかった」と悔しさを露わにした。

 コロナ禍での異例のシーズン。チームは開幕直後、先発投手に無理はさせなかった。準備期間の少なさから故障離脱をさせないための措置だった。球数は100球前後をきっちり守っていた中で、一気に突き抜けたのが河野。この試合を起点に、ほかの先発陣も100球以上を投げて試合終盤まで投げ切る試合が増加。中継ぎ陣も含めた全体の起用バランスも良くなった。

 数字も物語る。開幕から同日までの22試合でのチーム防御率4.48、以降は3点台にまで改善された。新人左腕の熱投がきっかけとなり、好循環が始まったと言っていい。ここまで(8月26日現在)2勝の河野だが、先発ローテの一角として数字以上にチームに貢献。その存在感は日増しに大きくなっている。

写真=BBM
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