ベテランと呼ばれることを嫌う長野久義が、2021年シーズンはチーム最年長となる。
巨人から移籍後2年目の昨季は、95試合に出場し、打率.285、10本塁打、42打点と奮闘。得点圏打率は.403、代打打率.440と勝負強さを発揮した。しかし「満足できる数字は 一つもなかった。もっともっと頑張らないといけない」と、まだまだ向上心が尽きることはない。
12月に行われた契約更改では長野節全開で、最年長を否定した。長年チームを支えてきた石原慶が引退したことで、最高齢に繰り上がった。長野は「ちょっと嫌なんですけど。1つ下のまっちゃん(松山)の方が僕より顔も老けていますし、まっちゃんが一番上だと思ってやります」と笑顔を見せた。
オフの過ごし方については「ランニング、走り込みをしっかりして、とにかく下半身をしっかりつくること」と話すも、場所に関しては「山にこもります」と長野節で明言を避けた。21年シーズンの目標は「本塁打50発! (鈴木)誠也が打つと思うので、僕も楽しみにして頑張ります」とおどけた。
チームの話になると、途端に表情を引き締めた。2年連続Bクラスに甘んじている状況なだけに「Aクラスという目標ではなく、優勝するという目標を持って戦わないと厳しい」ときっぱり。優勝、日本一を経験してきたからこそ、再び栄冠を奪い取ることに飢えているに違いない。
チーム内での橋渡し役としても貴重な存在だ。持ち前のコミュニケーション能力の高さでベテランと若手を引き合わせる。中でも新助っ人に対して積極的に交流を深め、とけ込みやすい環境を作っている。グラウンド内外で存在感を示す36歳が、V奪還へのキーマンだ。
写真=BBM