晴れやかな表情でパ・リーグ最年長投手となる42歳を迎えるシーズンへ備える。
阪神からオリックスに移籍した能見篤史投手兼任コーチが、宮崎・清武での春季キャンプで元気な姿を見せた。
第1クールには4日連続でブルペン入り。ボールを受け取ったタイミングでセットポジションとなるほど、早いペースで投じ、周囲の選手を驚かせた。13日には、今キャンプ初のシート打撃で投手を務めた。雨のため、室内練習場でモヤ、福田、伏見、若月、安達、後藤に計30球を投じ、安打性はモヤの2球のみに封じた。
「実戦が入ってくると見えてくるものが必ずある。試合に入ると投手の本質が見える」
今季初マウンドは19日の紅白戦。先発調整をしている段階で「もともと球数は投げたいと思っていた。今日は(合計で)150球ぐらいですかね。疲れるために(キャンプに)来ているのでね」と話した。
ブルペンでは「球種の変わり目の1球を大切にしながら」と、こだわりを見せる。投球以外の面で今年42歳となる投手兼任コーチに驚きがあった。
「まさか、この歳でタイム走をするとはね……。許してもらえなくて(笑)。不思議なもので、競争心をあおられて、タイムを計ると走ってしまうんですよね」
20代前半の投手陣と同じ速度でグングン進むリーグ最年長。「まだ動けるから。走ってしまう自分がいるんですよね」。体は至って元気。クールな左腕は、ボロボロになるまでユニフォームは脱がない。
状態は良い。
「例年より、しっかり動けているかなと思う。投げていて、その感覚はある。(シーズンを)想定しながらピッチングしたいと思っています」。
新天地で、再び輝く。まだ、やれる。
写真=BBM