プロ3年目で初めて上がった本拠地のお立ち台で一句を披露した。
『時の人 ぺこぱに力 もらったよ』──。
4月20日の
日本ハム戦(ZOZOマリン)で、同点の8回に右翼席へ決勝3号ソロ。中学1年生のときに伊藤園主催の「おーいお茶 新俳句大賞」で佳作特別賞を受賞した特技を生かし、節目ごとに心境を「五・七・五」で表現してきた。この日は試合前の始球式にお笑いコンビ「ぺこぱ」と共演していたのだ。
昨オフから首脳陣からの期待は大きかった。過去2年間は一軍出場の経験もなかったが、イースタン・リーグではチームトップタイの7本塁打をマークし、外野手登録ながらフェ
ニックス・リーグから一塁守備に挑戦。今春の石垣島キャンプでも外野グラブを手にすることなく、連日ノックで汗をまみれた。すべては自慢の打撃力を生かすためだった。
今季は開幕スタメンで起用された。プロ初安打、そしてプロ初アーチと一つずつ階段を上がっている。
「ホームラン王を獲れる選手を目指したい」――。
どんなときでも将来の目標を聞かれれば、迷うことなく即答する。自分の持ち味は遠くへ飛ばすことだと信じている。
豪快に引っ張って左翼席へ運ぶ打球は圧巻だが、逆方向へスタンドまで運ぶことができるのも魅力的だ。4月9日の
西武戦(ZOZOマリン)でもプロ1号ホームランを右翼席へたたき込んでいる。
井口資仁監督も「彼はどの方向へも本塁打にすることができる」と絶賛。球界では貴重な右のスラッガー。山口航輝のフルスイングに注目だ。
写真=BBM