梅野隆太郎にとって一つの節目になったのは、国内フリーエージェント権の取得条件を満たしたことだった。

「一番大きかったのは大きなケガもなく生んで、育ててくれた親に感謝します。周りの方々も支えてくれたからこの日を迎えることができました」

　ウメちゃんの人柄がにじんだ感想だったが、今シーズンはさらに評価を上昇させるプレーを続けている。

「チームとしてできることをやっていく。勝つために目の前の試合を一生懸命に戦っていくだけです」

　交流戦前の首位攻防戦巨人3連戦でも、カード初戦に決勝適時打で勝利に導いた。得点圏打率が示すように「恐怖の七番打者」の本領発揮だ。

　六番・佐藤輝との並びのときも「テルも思い切ってスイングしてくれてるので全体でカバーし、駆け引きしながらやっていきたい」といやらしい打撃を心掛ける。

　2年ぶりの交流戦だが、19年は18試合に出場し、打率.215ながら3本塁打を放っている。今季は「得点圏のウメ」を見せつける。

交流戦でうまく滑り出すためにも梅野の役割はさらに大きくなる。各球団の主力打者を抑えるのはセ・リーグのゴールデン・グラブ賞男にかかってくる。盗塁封じも見どころだろう。

　梅野は「集中しながら結果を出したい」という。交流戦でアピールし、さらにチームを加速させたいものだ。