この男が打っていればもう少し打線はマシだったかもしれない。マイク・ガーバー。12試合で45打数7安打、打率.156、0本塁打、1打点で二軍落ち。昨季マイナーが中止になり、実戦感覚が乏しかったとはいえ……5月14日の
ヤクルト戦(バンテリン)は象徴的だった。
1点を追う3回一死一、二塁。この直前、京田の強襲安打でヤクルトの先発・
金久保優斗は降板。マウンドには緊急登板となった
今野龍太だった。しかし、3球三振。すべて140キロ台中盤のストレートで、すべて空振り。
さらに5回無死一塁の場面で、今度は
梅野雄吾に再び直球で空振り三振。助っ人の2打席連続3球三振という痛恨の事態にバンテリンドームはただただ静まり返った。この直後の17日に登録を抹消された。与田監督は「結果がすべてなのでそこは判断していかないといけない」と説明。降格後も腰を痛めるなどして一軍再昇格は果たせていない。
日本で3度の首位打者に輝いたパウエル打撃コーチの推薦だったからこそ年俸5000万円(推定)とお手ごろ価格とは言え、期待値は高かった。コロナ禍のため来日が遅れ、キャンプに参加できなかったなど理由ある。しかし140キロそこそこの直球にさえバットがかすらない様は調整不足では済まされない落胆を竜党に与えた。
五輪中断期間にはエキシビションマッチが組まれている。体調さえ万全ならチャンスは与えられるだろう。そこでどれだけ意地を見せられるか。このままパウエルの名を汚すわけにはいかない。
写真=BBM