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ソフトバンク・千賀滉大 苦しみ抜いた前半戦にさよなら/後半戦のキーマン

 

後半戦は「負けるわけにはいかない」と意気込む千賀


 金メダルを手にした鷹のエースが後半戦の逆転Vをけん引する。千賀滉大は追加招集で侍ジャパン入り。故障明けで状態が心配されたが、2度の“アメリカ斬り”で優勝に貢献した。8月2日のノックアウトステージ初戦では2イニングを5奪三振無失点と復活投。7日の決勝でも1イニングを無失点と好投した。「日の丸に恥じない投球をしなくちゃと思ったし、丁寧にしっかり投げられたと思う」と振り返った。

 苦しみ抜いた前半戦とは別れを告げた。両ふくらはぎの不調で開幕ローテ漏れ。4月6日の日本ハム戦(札幌ドーム)で初登板を迎えたが、悪夢が待ち受けていた。ピッチャー返しを捕球した際に左足首を負傷。じん帯を損傷し、長期離脱を余儀なくされた。「もう全然(五輪は)間に合わないと思った」と語ったが、回復を見せ、追加招集が決定。直後、復帰戦となった7月6日のロッテ戦(ZOZOマリン)では3回途中10失点と屈辱にまみれたが、必死に状態を上げ、東京五輪では中継ぎとして存在感を示した。

 もちろんチームに戻れば、先発として大黒柱を務める。その覚悟が表れたのは、決勝から中2日の8月10日。ウエスタン・阪神戦(タマスタ筑後)の先発マウンドに上がると、5回4失点ながら95球を投げ、スタミナ面の不安を振り切った。「全体的には納得のいくボールも多かったし、投げ分けもそれなりにできていたと思う」。手応えをつかんで迎えた後半戦の初登板から魅せた。

 しびれるような五輪のマウンドを経験し、ひと回り大きくなった。「ここから負けられない戦いが続く。少しでも力になれるように腕を振りたい」と決意を込める。

写真=井沢雄一郎
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