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DeNA・佐野恵太 チーム浮上の起爆剤に/後半戦のキーマン

 

チームメートのオースティン桑原将志と競いながら2年連続の首位打者へ挑む


 一塁を回り、まず森の生還を確認した。「うまく変化球に対応することができました」と自賛したのは佐野恵太だ。8月17日の阪神戦(東京ドーム)。2点を追う4回、無死二塁だった。相手は遊撃の中野拓夢が二塁寄りに守る変則シフト。高い技術と集中力で破った。東京五輪日本代表の青柳晃洋を崩し、中前へ追撃の一打。リーグ戦再開2試合目で初、13打席ぶりの安打だった。試合は敗れたが、主将に当たりが戻ったことは何よりの好材料。翌18日も1点ビハインドの4回、左腕の伊藤将司から同点の中前打を放った。

 昨年は自身初めて規定打席をクリアし、打率.328で首位打者のタイトルを獲得。筒香嘉智(現パイレーツ)が抜けた穴を埋めるだけでなく、球団の顔としても飛躍した。「チームの四番として、しっかり仕事ができるように。歩みを止めずに突っ走りたい。技術でも変化を恐れず、進化できるようにしたい」と決意した今季はレギュラーとして実質2年目。安定した力を発揮し、5月18日の中日戦(横浜)で三番に上がった。そこから一度も打率3割を切らず、7月は11試合で打率.405のハイアベレージ。プロ5年目で球宴にも初出場し、坂本勇人(巨人)ら一流選手から吸収するものも多かった。

 打率.310(27日現在)はセ・リーグ3位。同じベイスターズで背番号7の先輩・鈴木尚典が1997、98年に達成して以来、23年ぶりとなる2年連続首位打者にも前進中だ。オースティン、宮崎敏郎ソトと形成する中軸。巻き返しへ、大きな期待を背負っている。

写真=大賀章好
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