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DeNA・山崎康晃 チーム最多登板「8回の男」/頼れるタフネス

 

ルーキーイヤーから第一線で投げ続け、大きな故障は一切なし。フィジカルの強さも山崎の武器の一つだ


 新たな役割で粉骨する姿が頼もしい。自己ワーストの6セーブ、防御率5.68と苦しんだ昨季から巻き返し、ここまでチーム最多の50試合に登板。山崎康晃は「8回の男」として帰ってきた(9月9日時点)。

「しっかり練習して開幕を迎えられれば、自分のパフォーマンスを発揮できる」と断言したプロ7年目のキャンプは、初めて二軍スタート。ほぼ直球とツーシームだった投球スタイルに手を加え、スライダーやチェンジアップにも挑戦した。169セーブを重ねた抑えのポジションは三嶋一輝へ譲り、三浦大輔監督から任せられたのはセットアッパー。前だけを向いてきた。

 左腕・エスコバーの来日が遅れたこともあり、開幕当初は三嶋、石田健大と勝ちパターンを形成した。3月30日のヤクルト戦(横浜)で初黒星。5試合で防御率4.15と乱れた。状態が不安視される中で、そこから意地の11試合連続無失点。3勝1敗9ホールド、防御率2.01で交流戦を迎えた。パ・リーグ相手にも8試合に登板し、失点したのは6月6日のロッテ戦(横浜)の1試合だけ。7、8月は10試合で6失点と数字を落としたが、複数の試合で連続失点することはなかった。

 DeNAから唯一、野球日本代表メンバーとして東京五輪出場。中継ぎとして2試合無失点で金メダル獲得にも貢献した。「感謝を忘れず、これからも大好きな野球に向き合ってきたい」と決意は本物。26ホールドはチームトップ、セ・リーグでも3位タイの好成績だ。もちろん、守護神返り咲きの期待もかかる背番号19。完全復活はまだまだ先にある。
写真=榎本郁也
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