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阪神・中野拓夢 今や躍動する若虎の象徴へ/ドラフト下位入団選手の今

 

積極的な打撃と守備でチームに欠かせない存在となった中野。優勝へ向けて、このまま突き進むのみだ


 センターライン強化が課題のチームで中野拓夢がショートに固定されている。ドラフト6位の下位指名で、ライバルを蹴落として内野の要を守り続け、チームに貢献している。

 中野は「とにかく後ろにつなぐこと、次の塁を狙うことを意識している」と守備力が優先されるポジションで打撃、走塁でもポテンシャルの高さをアピールする。

 前半戦はチーム84試合で66試合に先発出場し、打率.278の好成績だった。開幕直後は代打、代走だったが4月10日DeNA(横浜)の初先発からブレークした。

 5月中旬から「二番」に起用され、近本との一、二番コンビが機能。打撃が下降した際も「ボールに合わせるのでなく自分のスイングを心掛ける」とカベを乗り越えてきた。

 守備でも7月3日広島戦(マツダ広島)の5回無死一、三塁の場面で、野間俊祥の遊ゴロを二封後に本塁送球でアウトにする変則ゲッツーを成立させた対応力は印象的だ。

 チーム失策は12球団ワースト。それでも「ミスした次の試合で切り替えることが大事だと思う」と語り、二遊間の固定がテーマで、なかなかはまらなかった遊撃に中野が力を発揮しているのは大きい。

 また中野が「意識していないといえばウソになる」という盗塁数でもタイトル争いに参戦している。本人が目標に掲げている30盗塁の大台もクリアしそうだ。

 9月3日の巨人戦(甲子園)ではプロ初の「一番」に入って決勝三塁打を放った。ドラフト下位の新人の働きは16年ぶりの優勝を狙うチームの象徴といえる。
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