このままでは終われない。巨人ではただ1人、“(
広島時代からの)個人リーグ6連覇”を狙う丸佳浩は、苦しいシーズンに直面している。
2018年オフにFAで広島から加入して以降、中心選手としてチームを支えたが、今季後半戦はスタメンを外れることも珍しくない。「結果が全ての世界。そこは真摯に受け止めながら、できることをやっていくだけ」と、厳しい立場は自身が招いたことも受け入れている。
今季は4月前半に新型コロナウイルスに感染して療養し、急ピッチで復帰。その影響か、シーズン序盤は不振にあえぎ、6月5日に移籍後初の二軍降格を味わった。7月は11試合で打率.390、2本塁打と巻き返したが、東京オリンピック開催による中断期間が明けると、再び調子を落とした。
原辰徳監督は打順を定位置だった三番から一番に変えるなど復調のきっかけを探ったが、9月は9打数連続三振を含む25打席無安打を味わうなど長く暗いトンネルに迷い込んだ。これには原監督も「内容がちょっと悪過ぎるね。ここのところの10試合ぐらいの打率は見られたもんじゃない。この間みたいに、あれ(二軍落ち)しなきゃいけなくなる」と厳しい言葉を並べ、奮起をうながした。
当然、指揮官の厳しさは期待の裏返しだ。波に乗ったときの手の付けられない爆発力は、丸の代名詞ともいえる。チームのリーグ3連覇、そしてその先にある日本一奪回に欠かせないキーマンだからこそ、指揮官も、ファンも、背番号8の復調を信じて待っている。
写真=BBM