すでに阪神の背番号「5」は近本と言えるくらいの活躍。攻守走すべてでチームをけん引し続けている
看板選手になった
近本光司が今シーズンもまた数字を積み重ねている。チームの斬り込み隊長として、首位打者、最多安打をかけてラストスパートに入った。
大阪ガスから阪神入りした3年前、背番号5をつけた新人は「初めてつける番号なので楽しみ。歴代の先輩のような活躍をしたい」とそつなく答えた。
虎の「ナンバー5」といえば、
新庄剛志、
浜中治の生え抜きから、ゴメス、
西岡剛らが背負ってきた。「思い浮かぶのは新庄さん」という近本もスターダムをのし上がっている。
春先こそ不振で悩んだが、6月下旬から調子を上げた。夏場の8月からは打率3割超えで、特に9月は月間10本の二塁打をマークしてかき回した。激しい優勝争いでキーマンといえる近本は「全員でひとつの勝ちをつかみにいく」と自らが出塁し、ホームに返ってくることを体現し続ける。
ルーキーイヤーに目標に掲げた「新人王と盗塁王」で新人王は逃したが盗塁王を達成。本人が公言したものでまだ実現できていないのが「リーグ優勝&日本一」だ。
首位打者のタイトルをゲットすれば2014年の
マートン、日本人選手では03年の
今岡誠(現真訪)以来。最多安打者とのW獲得は、86年バース以来35年ぶりに。
近本は「常に勝つことを心掛けたい。全員で目の前の一戦一戦を必死に戦っていきたい」と一丸を強調。リードオフマンが虎の歴史を塗り替えるつもりだ。