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西武・平良海馬 「球の速い変化球投手」が投じる“超一級品”の武器/伝家の宝刀

 

今季もリリーバーとして奮闘した平良


「伝家の宝刀」といえば、いわゆる“代名詞”とも言える、その選手のスペシャルな武器を指す。それは“超一級品”を意味するため、通常は各選手1つであることが多いが、この男にとっては、「これ」と限定するのは非常に難しい。もちろん、良い意味で、である。

 平良海馬といえば「ストレート」をイメージする人も多いだろう。最速160キロを誇る豪速球は日本球界でも屈指の威力と精度と言っても過言ではない。一方で変化球にも非常に深い興味とこだわりを持っており、投げるカットボール、スライダー、チェンジアップはいずれも精度抜群。捕手の森友哉も「どの球種も、全部質が良い」と絶賛。松坂大輔が自身を表現したのと同様、平良を「球の速い変化球投手」と認識する人も少なくない。

 すべてが“超一級品”の質を誇る中、今季最も効果を発揮したのがスライダーだった。ストレートに次ぐ2番目の投球割合を占めたが、被打率は.100。特に左打者からは22打数1安打、.045しか打たれてない。曲がり幅が大きいため、相手打者はスライダーが来ると分かっていても空振りしてしまう。さらにしっかりとストライクゾーンにも制球できるため、カウント球、決め球、どちらにも使える。実際、追い込んでからも多投している球種でもある。自慢の直球との相乗効果も含め、まさに無敵と言えよう。

 今季は、このスライダーを中心に他の変化球も巧みに操り、開幕から39試合連続無失点の日本記録を樹立した。とはいえ、平良の向上心と探究心はまだまだ止まるところを知らない。無双への道を追求し続ける。

写真=BBM
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