来季に向けて現状維持の2憶8000万円(金額は推定)で契約更改。クローザーへの返り咲きを目指す
熟考を重ねた末の決断だった。
DeNAは12月7日、
山崎康晃が国内FA権を行使しないことを発表した。権利を取得した9月には「7年間かけて得た大切な権利なので、しっかり考えたい」とコメント。ポスティングでのメジャー・リーグ挑戦も含めて、去就が注目される1人だった。6年契約を結んだ
宮崎敏郎とともに残留の方向性が出たことは、最下位から巻き返しを図るチームにとって朗報。相当な覚悟で臨むはずだ。
今季は2年ぶりに60試合登板をクリアし、3勝2敗27ホールド1セーブ、防御率3.27。主に勝ち試合の8回でフル回転し、東京五輪の野球日本代表メンバーとしても金メダルをつかみ取った。自己ワーストの40試合で防御率5.68だった昨年からの復調。期待したくなるのは守護神への返り咲きだろう。プロ1年目の2015年に挙げた37セーブは新人最多記録。18年には日本人最速の4年目で通算100セーブを達成し、19年まで2年連続で最多セーブと充実の一途だった。
「あらためて、非常にしびれるポジションだなと思った。8回を投げることで、9回の重みも感じた」。長い不振があり、今年2月のキャンプは二軍スタートだった。9月18日の
広島戦(マツダス広島)では、ベンチ外だった
三嶋一輝に代わって初セーブ。170個目のセーブだった。「小さな代魔神になります!」と誓ったのが6年前。まずは200セーブだ。29歳。名球会入り条件となる250セーブも決して夢ではない。球場の雰囲気を変えられる貴重な存在。完全復活は近そうだ。
写真=桜井ひとし