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全盛期はこれから ロッテ・荻野貴司/記録への挑戦

 


 来季でプロ13年目を迎える荻野貴司は、2年連続全試合出場を目指す。快足だけでなく、パンチ力も秘めた打撃力は球界屈指の実力を誇っていたが、故障が多かったこともあって、意外にも今季が自身初の全試合出場だった。

 試合にさえ出場できれば、その実力は確かだ。最多安打、盗塁王のタイトルにゴールデン・グラブ賞も受賞した。「143試合出られたことに関しては自信になった」と、普通ならば、体力的が衰えていく年齢になっても、底知れぬ進化し続ける。

 進化には理由がある。「ここ2、3年は練習量を少し抑えて、体の疲労を取ることに専念していた。その積み重ねが良かったと思う」。周囲の練習に合わせると、故障の可能性が高まることを自覚し、体調のケアをこれまで以上に重要視した。

 今年は東京五輪が開催されたこともあり、シーズンは10月末まで行われ、ポストシーズンは11月にずれこんだ。CSファイナルステージまで戦った荻野は「CSが始まってちょっと体がおかしくなってきたので、(このオフは)まず治療というか、そこを治してから、少しずつ動いていこうかなと思っている」と来季への青写真を描く。

 チームは2年連続リーグ2位に終わった。「優勝」という二文字へのこだわりは、さらに強くなった。

「最後の最後まで争いができて、来年は一層優勝を意識しやすくなった。それに向けてチーム全員が、個々のレベルをあげて行けたらいいと思う」

 来年10月で37歳。衰え知らずのベテランにとって、全盛期はこれからだ。

写真=BBM
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