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ヤクルト・木澤尚文 生まれ変わったドライチ右腕/今季はひと味違います

 


 2年目の飛躍を期す。昨年のドラフト1位右腕・木澤尚文が開幕一軍入りを決めた。昨季は即戦力と期待されながらも一軍登板なし。悔しい日々を過ごした男が、ようやく大舞台への切符を手にした。

 リリーフとして勝負する今季、懸ける思いは一つだ。「1年間ずっと一軍にいることですね。投げる場面にこだわらず、必要とされるような戦力になっていきたい」。今春の沖縄・浦添キャンプでは、課題を克服するために汗を流した。投げる際に力んで左肩が早く開いてしまう癖を修正するため、プレートの三塁側と踏み出した足の一塁側に衝立(ダミーくん)を設置。投球時の横のブレを少なくするため、伊藤投手コーチが考案したものだった。

 さらに、自分の強みにも磨きをかけている。高津臣吾監督からもキャンプ中に「強いボールを投げてほしい」と要望された。基本となる直球だけでなく、オフシーズンにはシュートの習得にも挑戦。「打者から見て、嫌な球がないなと。真っすぐも格別ホップ成分があるわけではないので、なかなか打者の予想を越えられるような球を投げられなかった」と投手コーチや先輩に助言をもらい、自分のものにするよう励んできた。

 3月3日の日本ハム戦(札幌ドーム)では、シュートで自己最速を更新する156キロを計測。オープン戦は7試合に登板し防御率3.00の成績で、開幕一軍の座を勝ち取った。

「自分の良さ生かしてなんぼだと思うので、アピールして一軍の戦力になりたい」。その言葉通り、プロ初登板となった3月29日の巨人戦(神宮)では、2回を3奪三振のパーフェクト投球。たゆまぬ努力の先に初勝利が見えてくる。

写真=BBM
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