ドラフト3位の桐敷拓馬がいきなり二刀流の働きだ。先発に、リリーフにと、貴重なサウスポーとしてその存在がクローズアップされている。

「今までテレビを見ていた側から、これからは自分がプレーする立場になったわけで、何か不思議な感じですね」

　仮契約を交わした際のサイン色紙に「開幕一軍」と書いたからそのノルマはクリア。その後で「即戦力としてチームに貢献したい」と意欲をにじませる言葉もあった。

　プロ初登板になった3月27日ヤクルト戦(京セラドーム)は先発で5回0/3を3失点。上々のスタートを切った左腕は「粘ることができた」と振り返った。

　新潟医療福祉大が加盟する関甲新学生リーグは指名打者制をとっている。「大学では打撃をしてこなかった」とプロ初打席から連続三振を喫したのも初々しく映った。

　ただ「ゲームが終わって寮に帰ってからどっと疲れがでた」と新人らしい感想をもらしたが、今後の役割はさらにバージョンアップしそうだ。

　開幕から出遅れていた主戦の青柳晃洋、ガンケルの2人の復帰によって先発ローテーションは組み替えられる。これに伴い桐敷がリリーフに回ることになった。

　キャンプでは金村曉投手コーチから「1イニングではもったいない」と評価を上げてきた。当初は中継ぎだったが、先発起用にも応えてみせた。

　桐敷は先発として好投したことに「これを無駄にしてはいけない。難しいことは考えない」とこれからも与えられたポジションで実力を発揮するつもりだ。

写真＝BBM