なかなかチームが浮上しない中、バットでチームに貢献を続ける近本。一番打者でも三番打者でも与えられた役割をこなすだけだ
1年前とまったく違った姿を見せている。厳しいスタートになったチームにあって、
近本光司が打撃面でこれまでよりいいスタートをきった。
「開幕は悪くてももう慣れているから」と冗談めかしていたが、フタを開ければ、きっちりと対策を立てていたのがうかがえた。
昨シーズンの3、4月終了時の打率は.222だった。しかも、4月の終盤にやっと2割台に上げたところだった。
しかし、4年目を迎えた今シーズンは、「スロースタート男」を返上した働きを見せている。
「シーズンが長いのは分かってきました。開幕の1カ月にいいスタートを切ったからといっていい結果が残るわけではない」
クレバーな近本は好不調の波をできるだけ小さくしながら、トータルで活躍できるようなタイプのプレーヤーだ。
3月25日の
ヤクルトとの開幕戦(京セラドーム)から定位置の「一番」に起用された。しかし、チーム事情から4月12日の
中日戦(バンテリンドーム)は「三番」に座った。
その試合ではエース大野雄から中前打を放って、12試合連続ヒットをマークし、あらためてマルチな打者を証明した。
シーズン前から「今年は200安打を打ちたいと思っている」と個人目標を明確に掲げた。その上で「結局は優勝しないと意味がない」という。
出遅れた矢野
阪神だが、チームの巻き返しに近本のパフォーマンスは欠かせない。
写真=BBM