攻守で欠かせない存在となっている。入団当初から「強打の捕手」として注目を浴びてきた佐藤都志也が、新たな新境地を切り拓いた。
捕手と一塁手の二刀流だ。3月25日、
楽天との開幕戦。五番・一塁で自身初の開幕スタメンをつかんだ。キャンプから捕手一本で取り組んできただけに、アッと驚かせる
井口資仁監督の采配だった。
本拠地・ZOZOマリン開幕戦となった3月29日の
ソフトバンク戦では五番・捕手で出場し、先発・
ロメロを7回1失点と好リード。4月1日の
西武戦(ZOZOマリン)では一塁手として攻守を連発し、同点の9回一死満塁ではサヨナラ犠飛を打ち上げた。
「チームの勝ちにつながれば、自分は(どんな役割でも)いいと思っている。不器用ながらも、自分にできることは、やるべきことはやるという気持ちしかない」
捕手だからこそ、一塁手として役立っていることも多い。この試合では一、二塁の場面で2度も一塁前の犠打を処理して三塁で封殺した。持ち前の強肩に、バントシフトを熟知しているからこそ、思い切ったチャージを敷くことができる。
最速164キロの剛腕・
佐々木朗希がマウンドに上がる際には、ルーキーの
松川虎生がマスクをかぶるが、実は剛速球である一塁けん制を捕球するのも困難。ところが、捕手の佐藤都ならば安心だ。
「大学2年と大学4年のときのジャパンでも一塁をやっている。それも自分の強み」
4月3日の西武戦(ZOZOマリン)、5日の
日本ハム戦(ZOZOマリン)では四番も任された。完全試合を達成した佐々木朗だけではない。この男も「3年目の覚醒」を果たしている。
写真=BBM