佐々木朗希が4月10日の
オリックス戦(ZOZOマリン)で完全試合を達成すると、満面の笑顔でマーティンは20歳の怪物右腕に抱きついた。歴史的快挙を自分のことのように喜んだ姿こそ、来日4年目の人柄を表している。
しかし、そんな大砲の打棒は不振を極めていた。開幕5試合目の
ソフトバンク戦(ZOZOマリン)でようやく今季初安打をマークしたが、その後も調子は上がらない。
今季初アーチが飛び出したのは開幕から11試合目、4月8日のオリックス戦(ZOZOマリン)だった。0対0の7回に
山岡泰輔から右翼席へ先制2ラン。開幕から46打席もかかったのだ。
「ホームランが出なかったというよりも、最初のヒットが出るのに時間がかかったので、そっちのほうが心配だった。ただ、シーズンは長い。1日ずつ、大事にやっていくだけ」
ただ、その後もバットは湿った状態が続く。チームは4月14日から5連敗。球団ワーストタイとなる3試合連続零封負けも喫し、19、20日の
西武2連戦(ベルーナ)は、いずれも打線が1安打と沈黙した。5連敗の期間中、マーティンは18打数無安打。
「毎打席、自分のプランをもって臨んでいる。そのプランがうまくいかないときもある」
皮肉にも、連敗脱出となった22日のオリックス戦(京セラドーム)はスタメンから外れた。
2年連続リーグ2位で今季は優勝候補に挙がるが、過去2年間で計52本塁打をマークした助っ人の爆発なくして、チームの浮上は考えられない。“朗希フィーバー”に沸くが、喜んでばかりいるわけにはいかない。
井口資仁監督も「心配ですね」と、一日も早い復調を待っている。
写真=BBM