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楽天・涌井秀章 「3カ月は要するのでは」。痛過ぎる柱の不在/離脱者の現状

 

ベテラン右腕の離脱の影響は大きい


 百戦錬磨の涌井秀章が、下をうつむいていた。マウンドを降り、ベンチへと引き揚げるその重い足取りが、事態の深刻さを物語っていた。5月18日のロッテ戦(ZOZOマリン)。4回、先頭の中村奨吾を投ゴロに打ち取った打球を処理する際、打球が右手中指を直撃。その後、骨折と診断されたほどの重傷を負った。

 石井一久GM兼任監督は「亀裂が入っている上に脱臼っぽい。1、2カ月では厳しい。(復帰までには)3カ月は要するのではないか。固定手術をする可能性はある」と、前半戦中の復帰は絶望的と見ている。

 チームにとっても、痛過ぎる離脱だ。ベテラン右腕は6試合に登板し3勝1敗、防御率2.88。先発ローテの柱の1人として、安定した投球を見せていた。セットアッパーのブセニッツも、5月14日の西武戦(メットライフ)で打球が直撃して右足甲を骨折したばかり。投手陣の屋台骨と言える両右腕の負傷離脱は、5月31日に約1カ月半ぶりに首位から陥落する要因の一つになった。

 ただ、悪いニュースばかりではない。同25日の阪神戦(甲子園)では、2年ぶりに登板した辛島航が5回1失点。2020年10月29日の西武戦(メットライフ)以来、実に573日ぶりとなる白星を飾った。石井監督は「与えられた仕事をやってくれた」と左腕をたたえた上で「交流戦で数字を上げる選手も出てくる。そういう選手が出てきてほしいですね」とコメント。さらなる救世主の出現を期待した。チーム自慢の守備力を維持するためにも、投手陣はさらなる踏ん張りが求められそうだ。

写真=BBM
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