下半身のコンディション不良から復帰が待たれる西川
痛い故障でチームから離れているが、
西川龍馬も前半戦MVPの1人だ。チームに事情に合わせ、シーズン序盤は一番打者。4月後半からは三番に入り、攻撃を支えてきた。
今春は新型コロナ感染の影響により出遅れたが、オープン戦で合流。途中から一番に入った。いわゆる「俊足巧打」の一番打者タイプがチームにいない中で、高いバット技術を持ち、出塁できるヒットマンに白羽の矢が立ったのだ。シーズンもそのまま一番として迎え、3月27日の
DeNA戦(横浜)では2点を追う9回二死満塁から中越えの逆転3点適時三塁打を放った。休日を挟んだ次戦29日の
阪神戦(マツダ
広島)では1点を追う9回一死満塁から右越えの2点適時打でサヨナラ勝利。2戦続けての殊勲打で大きな貢献を見せた。終わってみれば、チームは球団記録に並ぶ開幕6連勝。リードオフマンが開幕ダッシュに導いた。
一方で開幕から三番に入っていた
小園海斗が不振で下位打線に降格。代わって、クリーンアップの一角を担うように。得点圏打率リーグトップを争う勝負強さは、打順が変わっても発揮され続けた。一時は両リーグ最多安打も放ち、打線をけん引。「打順は関係ない。やることは変わらない」と淡々と話す姿勢が頼もしい。
悔やまれるのは6月2日。ファウルを打った際に下半身を痛めたとみられ、5日に出場選手登録を抹消された。7月6日時点で復帰のメドは立っていない。1カ月超の離脱はチームに大きく響いているが、春先からの西川の活躍がなければ、今の順位やチーム状態はまったく別のものになっていただろう。
写真=BBM