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DeNA・佐野恵太 最前線に立ち、勝負の夏へ/夏男の季節

 

7月に入り打率リーグトップに浮上。夏男の本領発揮だ


 確信があった。右翼席へ視線を送り、佐野恵太が走るスピードを緩めていった。「自分のスイングでしっかりとらえることができた」。7月1日のヤクルト戦(神宮)。初回二死から相手先発・高梨裕稔の真ん中直球をガツンとたたいた。先制の10号ソロを放ち、キャプテンに就任した2020年から3年連続となる2ケタ本塁打をクリア。それぞれ打率.396、.320とハイアベレージを残した5、6月を経て、もともと得意している7月も好スタートを切った。

 キャプテン1年目にいきなり、打率.328で首位打者のタイトルを獲得した。7月に.330、そこからの2カ月は.343、.371と右肩上がりだった。昨年は背番号も44から7へ出世。看板選手としての責任感は増し、7月は11試合で.405だった。プロ5年目で初めて全試合出場も達成。ドラフト9位以下で入団した選手では、セ・リーグ初の年俸1億円突破となり「初心を忘れずにいたい。キャリアハイを目指してやっていきたい」とさらなる躍進を心に誓った。

「最下位だったということを全員で受け止めて、上へ上へ反撃していきたい」。今年は2月のキャンプ初日から精力的だった。定位置の左翼だけでなく、一塁で守備練習もこなした。危機管理の意識を持ち、実際にシーズンでも起用の幅を広げた。右脇腹負傷のアクシデントも乗り越え、開幕戦は「二番・左翼」で先発出場。ここまでセ・リーグ1位の打率.321の好成績だ(7月15日時点)。ともに中軸を担うオースティンも右ヒジ手術から復帰へ着々。最前線に立ち、勝負の夏へ乗り込む。

写真=松田杏子
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