最も早く即戦力の実力を示したのは、日大からドラフト3位で入団した赤星優志だった。
春季キャンプ途中で一軍に昇格すると、
原辰徳監督から「飄々と、しかし力強く投げられる。鹿取さんみたい」と、巨人と
西武で通算131セーブを挙げたOBの
鹿取義隆氏に姿を重ねられるなど、評価が急上昇。開幕先発ローテーションまで駆け上がり、東京ドームでの
中日との開幕シリーズ第3戦でプロ初登板を果たして6回1失点の好投を見せると、登板2戦目の4月3日の
阪神戦(東京ドーム)では7回2失点で見事にプロ初勝利を飾った。
それでも、思うようにはいかないのがプロの厳しい世界。先発起用を続けられていたが、5月3日の
広島戦(マツダ広島)では味方の失策も絡んで3回1/3を11安打12失点(自責3)。2戦連続の炎上で二軍調整を命じられた。
赤星は「技術的にも、体力的にも、メンタル的にも、自分が考えていた以上にしんどい。一年間、戦うことは本当にすごいことだと感じた」と、息をつく間もないシーズンの過酷さに直面している。
配置転換を何としても再起のきっかけにしていきたい。6月下旬からリリーフ陣に加わった。指揮官は「彼はまだまだスタートしたばかり。どこかで温かい目で見守りながら、厳しく育てるということでしょうね」と、将来的には先発への復帰も視野に入れながら、成長に期待している。制球力とタフな体が持ち味のルーキー。まずはチーム内での役割を確立したいところだ。
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