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阪神・伊藤将司 真っすぐを生かす球種が2ケタ勝利への生命線/伝家の宝刀

 

真っすぐとカットボールをうまく織り交ぜながら、2年連続2ケタ勝利を目指す伊藤


 伊藤将司の投げるカットボールは右左にかかわらず相手打者を困らせる得意球と言える。2年目も先発ローテーション入りし、多彩な変化球で白星を重ねてきた。

 伊藤本人も「自分はバタバタと三振を取るタイプではない」と変化球の精度は自身のピッチングに大きな影響を及ぼしている。

 今季の球種別ではストレート、ツーシームに続いて多投するのが、キレのあるカットボールだ。球界でも主流といえる変化球は独特だ。

 大学時代からグラブをはめた右腕を大きく上げながらの投球フォームは、ボールの出どころが見えづらい。そしてカットボールも習得し、プロ入り後も磨きをかけてきた。

 要所で繰り出すそのカットボールは、ストレートの軌道できて、打者の手元で少し変化する。そのキレ味鋭い球を両サイドに投げ分けてバッターを手こずらせてきた。

 7月14日の巨人戦(甲子園)では2戦連続で同カード完封勝ちを収めた。自己最多9奪三振。球団左腕では1969年の江夏豊以来、53年ぶりの巨人連続完封だった。

 9回は丸佳浩を空振り三振、岡本和真をセンターフライ、重信慎之介を二ゴロに打ちとって最後まで「0」を並べてみせた。この3人の最終球は伝家の宝刀カットボールだった。

 開幕前には「昨年は右打者の内に投げることが少なかったので、そこを意識したい」と語っていた。岡本和が詰まったように大きな武器になっている。

「アウトの取り方を工夫したい」と言う左腕にとってストレートを生かす生命線。2年連続二ケタ勝利を達成することで自信を深めたい。

写真=BBM
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