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中日・小笠原慎之介 プロ7年目の初体験/後半戦ベストゲーム

 


 最下位に沈んだ球団にとって、来季に光を刺す投球だった。9月30日のDeNA戦(横浜)。先発した小笠原慎之介がプロ7年目で初の2ケタ勝利を決めた。

 このゲーム、小笠原にとっては2年連続規定投球回をかけた一戦だった。シーズン序盤に新型コロナウイルス感染で約1カ月間、離脱している。

「コロナに感染しようがしまいが、規定にいかなかったら『いってないじゃん』というのが周囲の見方です。自分も周りも納得するように、何とか規定に乗せたかった」と話す。

 7回を投げて失点1。被安打5、奪三振9。4回途中で規定投球回を満たし、8回は絶対的セットアッパーのジャリエル・ロドリゲスにバトンタッチ。中継ぎ転向したカリビアンは、このゲームで45ホールドポイントとして、最優秀中継ぎのタイトルを確定させている。

 打線では岡林勇希が4打数4安打の固め打ち。最多安打のタイトル争いをDeNA・佐野恵太と繰り広げ、最終的に2選手は161安打で並んだ。チーム順位は低迷しても、ペナントを戦い抜いた証しが詰まっていた。

 落合英二ヘッド兼投手コーチは小笠原の成長を通知表でたとえた。「先生の書くコメント欄があるでしょ? そこに書く内容が変わった感じ。試合全体を見られるようになりました、と評価しています」。イライラしてペースを乱し、内野手の声掛けを無視する場面もあったという。

 大野雄大柳裕也に小笠原。成長著しい高橋宏斗もいる。打線では岡林。未来を明るく照らした一戦だった。

写真=BBM
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