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楽天・宮森智志 育成から始まった出世物語/飛躍のシーズン

 

夏場以降、目覚ましい活躍を見せた


 9月19日の西武戦(ベルーナ)。2点リードで迎えた延長11回、六番手でマウンドに上がったのは育成ドラフト1位で入団したルーキー、宮森智志だった。先頭の源田壮亮は150キロ直球で三ゴロ。続く森友哉はフォークで中飛。最後は山川穂高をスライダーで空振り三振に仕留めた。1回をピシャリと抑えてプロ初セーブをマーク。「全力で腕を振って抑えるだけだと思った」と充実感を漂わせた。育成入団の1年目での初セーブはプロ野球初の快挙となった。

 193センチの長身から投げ下ろす直球は150キロを超える。直球はもちろん、140キロ台のフォークにも角度があり、スライダーもキレは十分。制球力もあって攻略は簡単ではない。一軍初登板となった8月2日のロッテ戦(楽天生命パーク)から同西武戦まで、デビュー22試合連続無失点を記録。2021年シーズンで広島栗林良吏がマークした新人記録に並んだ。

 流通経大を経て入団した四国アイランドリーグ・高知での活躍が認められ、昨年のドラフト会議で楽天から育成1位で指名。開幕から二軍で抑えを任されると、7月に支配下登録された。新人とは思えないほどの安定感があった。

 今季は26試合に登板し1勝1敗、7ホールド、1セーブ、防御率1.54。終盤戦では中継ぎ陣に欠かせない存在に成長した。石井GM兼任監督は「ずっと(無失点で)やってもらったんで、ここからまた成長してくれたら」とさらなる成長を期待する。いずれは抑えを任されるほどに成長しても、まったく驚かない。

写真=BBM
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