自立をうながす。今春キャンプは一、二軍の枠を撤廃。練習メニューも自立を求め、個人練習の時間を多く取っている。狙いは明確。監督就任時に語った「プロなので勝たないと意味がない。勝ちにこだわったプレーができる選手に皆を育てていきたい。自分の頭で考え、自分の責任の元で行動して、それが勝利につながる。そういう選手になってほしい」の言葉がすべてだ。
競争意識が高まれば、おのずとチーム力は底上げされていく。各自が自分の役割を理解すれば、必然的に層も厚くなるだけに、7、8、9回の勝ち継投を固定しない方針もある。長年、抑えを務めてきた
益田直也、3年ぶりにメジャーから復帰した
澤村拓一、昨季のブルペンを支えた
小野郁、東條大貴のほか、
唐川侑己、
佐々木千隼ら救援陣は豊富。長いシーズンを戦い抜く中で、形にとらわれない。
若手はチャンスだ。高卒3年目の右腕・
中森俊介、支配下2年目の
森遼大朗ら期待の若手投手は多数。野手でも西川遼祐、
山本大斗の高卒3年目が長打力を武器にアピールしており、成長株が多いチームだけに固定なき戦いは、勢いを生む可能性は高い。
今季のチームスローガンは『今日をチャンスに変える。』。キャンプイン前日の1月31日には石垣島の宿舎でミーティングを開き、「とにかくトライしてください。そして、トライしたことを振り返り、教訓を引き出して、また次に向かっていく。そういう思考のサイクルで日々を過ごしてください」とナインに語りかけた。
「何かを学ぶには、自分で体験する以上にいい方法はない」──。
自主性の高い“大人のチーム”となり、果敢に挑み続ける姿勢を貫いて頂点を奪いにいく。
写真=BBM