今年こそは。その思いがあふれた。プロ入り5年目を迎えた28歳の内野手・松本友が、沖縄・浦添キャンプで猛アピールした。2月21日に行われたキューバとの練習試合(浦添)で急きょ「五番・左翼」で先発すると、攻守走で活躍。初の開幕一軍入りへ、存在感を見せた。
「昨年も一軍でずっと居られなかったので、なんとか一軍にしがみついて、ずっと居続けられるように、信頼を得られるように頑張りたい」
まずは、守備が光った。内野手登録だが外野も守れるユーティリティーさを持ち、2回に左中間の打球に前進してダイビングキャッチ。そして、その裏の回で左前打とすると、3回二死一、三塁から右前適時打を放った。さらに、四球で出塁した6回には二盗にも成功。
高津臣吾監督は攻守走での活躍に「走はないな」と笑顔を見せながら「すごく期待を持てるプレーを見せてくれた。本当に少しずつですけど、成長を感じている」と称賛した。
苦労人が遅咲きの花を咲かせる。東福岡高から明治学院大、独立リーグのBCL/福井に進み、2019年に育成ドラフト2位で
ヤクルトに入団。持ち前のパンチ力が評価され、20年7月に支配下登録された。21年には27試合に出場したが、一軍定着はならず。若手も多く育つ中で、結果を出すことが求められている。
「アピールし続けないといけないと思うので、僕の場合は打ち続けるしかない」と松本友。育成出身者としての期待も背負い、がむしゃらにプレーする。
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