京田陽太は今だけを見つめた。
「横浜スタジアムでプレーできることを光栄に思います。全力でガムシャラに頑張ります」
2017年にドラフト2位で
中日へ入団し、同年に新人王を獲得も歯車は少しずつ狂い始め、昨年はキャリア最少の43試合出場に終わった。長く守ってきた遊撃の定位置を明け渡し、12月に左腕・
砂田毅樹との交換トレードで加入。「活躍することが、名古屋のみなさんへの恩返しにもなる。チームから与えられた役割に対し、しっかりと準備をしたい」と約束した。
昨季2位と躍進したチームの内野陣。現時点で三塁の
宮崎敏郎、二塁は
牧秀悟、一塁も
ネフタリ・ソトで盤石だろう。4年目の
森敬斗やベテランの
大和、万能型の
柴田竜拓らで回し、唯一固定できなかったのが遊撃。
三浦大輔監督も「ベンチからも『いい選手だな』と思って見ていた」と期待を寄せた。自主トレはほぼ休みなしで稼働。「今年は本当に勝負の年。ガツガツとアピールしていきたい」と初心を思い出すように、宜野湾キャンプでも精力的に汗を流した。
オープン戦初戦だった2月25日の中日戦(北谷)は「一番・遊撃」で3打数1安打1四球。途中から入った三塁でも好守備を披露し「チャンスをもらっている立場なので。新しいポジションでも何とか食らいついていきたい」と自力で起用の幅を広げてみせた。
「与えられたところで結果を残せるように。一軍で活躍できるように頑張りたい」
背番号は同期入団で古巣の親友だった故・
木下雄介さんと同じ「98」。再浮上の気配は、確かに漂っている。
写真=BBM