試合中、これほど頼もしさを感じる選手は、そうはいない。ベンチから人一倍声を出し、グラウンドでは投手へ積極的に声を掛ける。移籍4年目。今やムードメーカーという意味でも、チームに欠かせない存在だ。
練習中から積極的に声を出す姿は、ほかの選手にとっても刺激になるようだ。ベテランの
銀次も「本当に頼もしい選手だと思う」と信頼を寄せる。どんな状況でも全力を出し尽くそうとするその姿は、チームに好影響を与えている。
移籍3年目となった昨シーズンは125試合に出場して打率.257、35打点。加入後ではともに自己ワーストの成績となった。これまでと同様、今季は三塁か一塁での起用となりそうだが、定位置奪取は簡単ではない。
新助っ人の
フランコはオープン戦で結果を残しており、
中日から加入した
阿部寿樹も存在感を発揮。さらには若手の
黒川史陽も虎視眈々とレギュラーを狙っている。
ただ、どんな状況でも声を出し、チームを鼓舞する男が、勝負をあきらめるはずがない。「僕らがいい壁になっていれば、チームとして底上げになると思っている」とチームのためにもベストを尽くす構えだ。
球団のSNSなどにも頻繁に登場し、明るい笑顔でもファンを魅了する33歳。今や、チームの野手では
炭谷銀仁朗、銀次に続く3番目のベテランとなる。そのベテランがファンサービスを惜しまず、グランドで必死に戦う姿は、若手の刺激にもなるはずだ。
開幕は二軍で迎えたものの、このまま終わるわけにはいかない。フォア・ザ・チームを貫く男は、逆境をはね返して一軍に戻り、チームを勝利に導く。
写真=BBM