2年目にして開幕一軍メンバーに選ばれた。この男が覚醒したとき、ドラゴンズが新時代を迎える。2022年のドライチのブライト健太だ。
「もちろんプレーが一番ですけど、何かしらで目立っていないと、すぐに競争に敗れてしまう気がして」と語る。とにかく元気で愛されキャラ。試合中は誰よりも、その声が大きく響いている。
そのキャラクターが注目を集めたのは昨年11月のファンフェスティバルでのフライングキャッチのコーナー。別の選手が投じるフライングディスクを何メートル走ってキャッチできるかを競う場面で、持ち前の身体能力とキャラが発揮された。
足の速さをフルに見せた上、勢いそのままダイビングキャッチを繰り返した。最初は静かだったバンテリンのファンも一本ごとに大歓声に。しまいには最高記録の51メートルをマークした。
先輩たちの言うがまま、何本も繰り返しただけに「無理無理。本当にきついっす」と息も絶え絶え。それでもトップ記録と知ると、「ヨッシャー」と笑顔を見せ、場内を大いに盛り上げた。
高橋周平良も思わず「いいキャラしている」と認めるほどだ。
ブレークまではもう一歩。キャンプは二軍スタートもアピールに成功して一軍へ。2月23日の
阪神との練習試合(北谷)では
青柳晃洋から先頭打者本塁打。前日に
岡田俊哉が登板中に大ケガをし、重たい空気になったベンチのムードをガラリと変えた。
「早くベンチに戻って盛り上げようと思いました」とスピードを緩めることなく、ダイヤモンドを一周しベンチで雄叫びを上げた。チームを明るく輝かせるだけのポテンシャルを持っている。
開幕一軍切符を手に入れ、待望のプロデビューは開幕から5試合目となった4月5日の
ヤクルト戦(バンテリン)。空振り三振のホロ苦デビューとなったが、「下を向いている時間はないです」とブライト。前向きに、ひたむきに、明るさを失わず、やるべきことをやっていく。
写真=BBM