高い壁だが、もう乗り越えることができる。吉川尚輝は華麗な守備でチーム不動の二塁手の座をつかんだ。「打率3割とゴールデン・グラブ賞を目指してやっていきたい。守備は一番大事にしています」。プロ7年目の今季こそ、念願のゴールデン・グラブ賞の前に立ちはだかる
広島・
菊池涼介に挑み、乗り越えたい。
ゴールデン・グラブ賞のセ・リーグ二塁部門は、2013年から昨年まで実に10年間、菊池が独占し続けてきた。史上屈指の名手であることに疑う余地はない。だが、目標を達成するためには超えなければならない存在であることも確かだ。中京学院大の後輩にあたる吉川は「菊池さんを目標にして、いつか超えられるように」と尊敬する先輩に挑戦する。卓越した守備範囲の広さと強肩は、今や球界屈指と言われるまでになった。
吉川は昨季、自己最多となる132試合に出場し、打率.277、7本塁打、31打点、16盗塁。守備率は.985(11失策)で、二塁手部門のゴールデン・グラブ賞は、やはり3失策を記録した菊池の手中に収まった。吉川は「確実性を上げること」と課題を明確にし、オフの自主トレも守備練習に時間を費やした。
今季は新たに副主将に指名され、学年で2つ下の主将、
岡本和真を支える立場にもなった。「自分のことも大事ですけど、和真のサポートを少しでもできれば。必死になってやっていきたい」と決意をにじませる。今季こそリーグ優勝とゴールデン・グラブ賞をつかみ取る。
写真=BBM