勝って評価される捕手稼業。木下拓哉は記者投票で決まるタイトル、ベストナインを狙う。
「やっぱり、勝たないと評価されないんです。(捕手では)昨季、一番ゲームには出ました。でも出るだけではダメ。出て、試合に勝つ。そうやって1票でも多く入れていただき、認めていただきたいと思っています」
昨季はリーグ最多120試合でマスクをかぶった。80試合でマスクをかぶった
ヤクルト・
中村悠平を大きく上回っている。ただフタをあければ、ベストナインは中村。連覇しているチームの正捕手が選ばれた。
WBC日本代表もそう。
巨人・
大城卓三が守備に就いたのは114試合。これも、木下よりも少ない。だが、3選手で日の丸を付けていないのは木下。侍メンバーにケガ人などアクシデントがあった場合に緊急召集のかかる、補欠止まりだった。
どう勝つか。個人としてやれることのひとつは盗塁阻止率の改善。2年前の.426から、昨季.293へ大きく落ち込んだ。捕球から送球へ、ミットの使い方を大幅に変更。合う、合わないはプレーヤーそれぞれ。結果的に木下にはハマらなかった。失敗したから成功がある。チャレンジ自体に後悔はまったくない。
チームは昨季の最下位からの逆襲イヤーとなっている。「まず守り。その上で、どうやって得点につなげられる打撃ができるかです。集中して1試合、1試合、戦っていきます」。キャッチング、リード、打撃、磨きをかけて勝利のハイタッチを交わしたい。
写真=BBM