この男なくして巨人打線は固まらない。丸佳浩は3、4月を打率.180、1本塁打、4打点で終えたが、このまま終わる選手ではないことは、昨季まで7年連続20本塁打以上という安定した成績が証明している。
2019年に
広島からFAで加入して5年目。「打率3割、出塁率4割」と、移籍後初の大台を目標に設定して臨んだ。不動の中堅だったが、
原辰徳監督が丸の守備負担を軽減させたいと考え、今季から右翼に転向した。
新たな定位置で臨んだ今季、4月は17打席連続無安打など打撃不振に陥った。同19日の
DeNA戦(佐賀)で2安打2打点と復調の兆しを見せたが、その走塁中に足を痛めて交代する不運にも見舞われた。
それでも出場選手登録は抹消せず、代打で貢献。同28日の広島戦(東京ドーム)では適時打を放ち、「根性100パーセントで打ちました」。5月2日の
ヤクルト戦(東京ドーム)に六番・右翼で先発復帰すると1安打1四球をマークし、指揮官も「いい感じで、短い時間で戻ってこれましたね」と頼もしそうに目を細めた。
「声出し応援が解禁になって最近のシーズンと比べたら汗のかき方が違う。自分の中で無意識に高揚している」と、気合十分の丸。昨年5月は月間別で最高の打率.311を記録しただけに、今年もそろそろエンジンが掛かり始めるはずだ。
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