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西武・高橋光成  マウンドでの圧倒的な存在感 「13」を着けた男が背負うべき称号/伝統を背負って

 

マウンドでエースとしての存在感を発揮している高橋


 今から8年前の2015年9月27日。21年間、ライオンズ一筋を貫き、長くエースの看板を背負ってマウンドに立ち続けた西口文也(現ファーム監督)の引退セレモニーで最後、西口がマウンドに置き去ったグラブを拾い上げ、受け継いだのが同年入団のルーキー・高橋光成だった。当然、西口が「次世代のエースになれ」との思いを込めて託したことは言うまでもない。

 それから4年後の2019年、高橋は背番号を17から西口が着けていた13へと変更した。「西武のエース番号だと思っています。重いものですが、恥じないようにやっていきたいと思います」と、「13」を背負う責任感と強い覚悟を口にしたが、実際、その年から高橋は激変した。オフの自主トレーニングをMLB移籍が決まった菊池雄星と行ったことで、意識も知識もすべてが感化され、より高みを目指すようになった。そして、しっかりとした目的を持ち、シーズン通してそれを継続したことで成長を遂げ、初めて10勝を記録した。

 21年、22年にはリーグ最多の26試合に先発し、投球回も両年ともリーグ2位。2年連続で2ケタ勝利を挙げ、着々と周囲からの信頼も高まっている。3年連続開幕投手を務めた今季は6月27日現在、13試合に先発し、11試合でクオリティースタート。5勝5敗と勝ち星には恵まれていないが、防御率1.92はリーグトップを誇っている。

 抜群の安定感と圧倒的なマウンドでの存在感は、まさにエースと呼ぶにふさわしい。「それは、周りが呼ぶものなので」と常にかわしてきたが、いよいよ名実ともに「13」が背負うべき称号を受け継ぐ時が訪れた。

写真=BBM
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