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西武・佐藤龍世 重圧をものともしない“フィールドの守護神”/切り札は俺だ!

 

三塁守備への評価は高い佐藤龍


 7月3日現在、西武の今季1試合平均得点はリーグ最少の2.81。つまり、数字上は投手陣が3失点以内に抑えなければ勝てない計算となる。その窮地のなかで、より重要な役割を担っているのが“守備固め”である。一度リードしたら、是が非でも守り切りたいだけに、必然的にこれまで以上にミスが許されない状況となっている。

 そのプレッシャーをものともせず、きっちりと重責を果たしているのが佐藤龍世だ。もともと守備力には定評があるが、今季は主に三塁を守っており、14試合に先発出場している一方で17試合、守備固めで起用されている。特に6月に入ってからは、リードしてからの切り札起用が野手の“勝ちパターン”となっており、“フィールドの守護神”として首脳陣からの期待に応えている。

 とはいえ、佐藤龍本人はもちろん先発フル出場を目指している。今季の三塁手のスタメン起用が最も多いのは外国人のマキノンだけに、定位置奪取のためには打撃向上が最大の課題だ。それは誰よりも自身が痛感しており、だからこそ、ホームゲーム時には全体練習の前、試合後にも可能な限り毎日室内でマシンに向かい続ける。

 敗戦後には、「僕が打つ、打たない以上に、とにかく勝ちたい」と悔しさをバットにぶつけている。松井稼頭央監督には二軍監督時代から指導を受けており、「一軍監督になってもまったく変わらず、絶対に選手を責めない」と全幅の信頼を寄せる。それだけに、「松井監督を悩ませないようにしたい」。緊急時に向けて捕手練習も続けているユーティリティー内野手は、一戦必勝のために全身全霊で挑み続ける。

写真=BBM
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