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ソフトバンク・野村勇 熱い思いで巻き返しを期す/夏男の季節

 

勝負強さを武器に、新「夏男」有力候補の野村勇


 3年ぶりのリーグ優勝、そして日本一へ。勝負の夏に向けて期待がかかるのが2年目の野村勇だ。昨季はルーキーイヤーで球団新人記録に並ぶ10本塁打をマーク。10盗塁も記録し、両部門で2ケタをクリアしたのはパ・リーグ新人では37年ぶりの偉業だった。さらなる飛躍を誓った今季は、春季キャンプで城島健司球団会長付特別アドバイザーからマンツーマン指導を受けるなど、打撃力向上に努めたが、キャンプ終盤に離脱。3月末に腰の手術を受け、6月にようやく一軍の舞台に戻ってきた。

 データの面でも夏場に期待をかけたくなる数字が並ぶ。昨季は7月に打率.292、2本塁打、4打点。8月も打率.291、2本塁打、8打点と好成績を残した。シーズン打率は.239だったことからも好調ぶりが分かる。野村勇自身はその要因について「分かんないです。全然、季節は関係ないですね」と笑い飛ばしたが、新たな「夏男」の有力候補だ。

 今季は出遅れこそしたが、高い実力を随所で見せつけている。「今からでも巻き返せる。全然まだ遅くない。ここから活躍すれば間に合うのかなと思う」。その言葉どおり、6月17日の阪神戦(甲子園)で今季1号を放つと、7月2日の西武戦(ベルーナ)では隅田知一郎から2号先制2ランをマークし、同一カード3連勝に大きく貢献した。一軍復帰前には「普通にやるしかないんで。やらないとクビなんで」と、悲壮な覚悟を口にしていた26歳。定位置確保に向け、熱い思いを胸にチーム内の激しい競争を勝ち抜いてみせる。

写真=BBM
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