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阪神・糸原健斗 「どこを任されても準備しておきたい」チームのために経験を捧げる/夏男の季節

 

チームのために全力でプレーする気持ちは変わらない


 さらに存在感が高まるかもしれない。チームで年長組の糸原健斗が置かれた役割が変わってきたのは夏場に差し掛かってからだ。交流戦では2試合にDHで先発した。その後はスターティングメンバーに名前を連ねる機会が増えてきたのだ。

 糸原は「どこを任されても準備しておきたい。チームに貢献したい」というスタンスで出番を待ち続けた。開幕から三塁が定位置だった若手の佐藤輝明が不振でファーム落ち。一軍復帰まで渡辺諒らとカバーする形になった。6月28日の中日戦(甲子園)では今シーズン初のマルチ安打もマークした。この間、三、五、六、七番に入るなど、フレキシブルな形で起用された。

 開幕から代打要員だったが結果に表れず、5月29日に出場選手登録を抹消された。一軍からお呼びが掛ったのは6月9日だ。1年前のシーズンは二塁、三塁でレギュラーだったことから、今年は厳しい立場と言える。しかし糸原のしぶとさが夏場こそ、発揮されるかもしれない。

 実際、2022年の春先は不調だったが、その夏場に新型コロナウイルス感染の濃厚接触者に代わって、プロ初の一塁に就き、奮起し、チームの上位浮上を支えた。

 後半戦から激しい首位争いが待っているが、糸原のユーティリティー性に富み、勝負強い打撃は欠かせない。自身のために、チームのために、全力でプレーするつもりだ。

写真=BBM
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