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西武・岸潤一郎 紆余曲折を経てプロ入り 成長を続ける“甲子園の申し子”/甲子園のヒーローは今

 

外野の一角を奪うべく日々、奮闘している岸


 明徳義塾高1年で夏の甲子園に出場し、以後、2年夏、3年春夏と、自身通算4度の甲子園出場を果たした岸潤一郎は、“甲子園の申し子”と称されるほどの知名度を誇っていた。将来を嘱望され、卒業後は拓大へと進んだが、度重なる肩肘の故障の末、3年秋に退部。同時に大学も中退し、一度、野球から完全に距離を置くことを決意した。

 しかし、四国IL/徳島からオファーをもらい、心を動かされた。母の願いでもあったため入団を決意すると、2019年ドラフト8位で指名を受け、念願のプロ入りを果たした。

 4年目を迎えた今季、開幕こそ昨季故障した股関節の治療、リハビリのため間に合わなかったが、6月14日に一軍復帰を果たすと、ここまで途中出場もありながらもコンスタントに試合に出続けている。

 強烈なインパクトを残したのが8月4日のオリックス戦(ベルーナ)だった。2対2で迎えた9回裏一死の場面でこの試合最初の打席に立つと、「人生初」というサヨナラ本塁打を放ち、チームを3連勝に導いた。

 今季は「準備の大切さ」を特に重要視して試合に挑んでいる。

「栗山さん(栗山巧)からいろいろ学んで、ストレッチやベンチでの過ごし方などを変えたことで、途中からでも良い状態で試合に入れていると思います」

 また、最近マキノンのバットを使っていたが、源田壮亮から「自分の元のバットのほうが合っていたように見えるよ」との言葉を受け、戻したところ、サヨナラ本塁打が飛び出した。

 外野の定位置争いが続いている中、手本となる先輩の助言を素直に受け入れながら、まだまだ成長中だ。

写真=BBM
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