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日本ハム・伊藤大海 復活の白星をきっかけに3年連続の2ケタ勝利へ/このままでは終われない

 

強気な攻めの姿勢も復活。持ち味の大胆さを武器に勝ち星を増やしていきたい


 長く暗いトンネルを抜けた伊藤大海に少しだけ笑顔が戻った。8月12日のソフトバンク戦(PayPayドーム)に先発し、7回無失点の好投で挙げた6勝目は39日ぶりの勝利だった。「(伏見)寅威さんが僕の“イケイケどんどん”の性格をうまくリードしてくれ、いい結果につながりました」。キャッチーな“大海節”も交えて久々の快投を振り返った。

 3月のWBCに出場し、世界一奪還に貢献した今季は夏場を迎えて苦しんでいた。5月と6月は安定して7イニングを投げ切り、先発の役目を果たしていたが、7月以降は5回も持たなかったのが2試合もあるなど、試合をつくれなかった。「ちょっと狙い過ぎた部分や、置きにいった部分があったかなと思う」と持ち味の大胆さが薄れていた。

 投球フォームも試行錯誤しながら、昨季まで主体だった2段モーションで臨んだ冒頭の試合。必死に修正を図って質を高めた投球に加え、強気な攻めの姿勢も復活したことが、快投につながった。「コース関係なく、とにかく強いボールを投げる。後先を考えずに目の前の1球1球を投げることを意識して、それができた」。気迫で相手打線を圧倒した。

 ルーキーイヤーから3年連続2ケタ勝利を挙げる可能性は、まだ十分にある。すでに登板イニング数は3年連続で100を超えているが、この価値ある数字をもっと輝かせるには、チームを勝たせることが必要。このままの勝ち星で終わるような投手ではない。復活の白星をきっかけに、3年目のシーズンは強いインパクトを残してフィニッシュしたい。

写真=BBM
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