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オリックス・来田涼斗 自分が納得いくまで「自分の立場を考えると──」/このままでは終われない

 


 巻き返しを期して打撃フォームの確認を繰り返す。高卒3年目・来田涼斗が、もがき苦しんでいる。今季はシーズン開幕前に順調にアピールを重ね、3月31日の西武との開幕戦(ベルーナ)で九番・左翼でスタメン起用された。

 プロ入り3年目で自身初の開幕スタメンを勝ち取ったが、結果は4打数無安打。開幕2戦目、4月1日の同戦は代打で起用されるも三邪飛に打ち取られた。その後に奮起を誓うも、まさかの二軍落ち……。夏場になっても一軍に再昇格することはなく、ファームで鍛錬を積む日々だ。

“師”と仰ぐ吉田正尚が昨年オフにメジャー・リーグのレッドソックスにポスティングシステムを利用して移籍。長く打線を支えた絶対的な存在がチームを離れ、来田は「寂しさはありますけど、今年はチャンス。勝負の年になると思います」と力強く話していた。

 2020年秋のドラフトで1位指名された同期入団の山下が、今季の開幕投手を務め、以降も先発ローテーションを守り、オールスター出場を果たすなど一躍、ブレークを遂げている。一軍デビューは来田のほうが早かっただけに、同い年に負けてはいられない。

 春先に二軍落ちを味わい、大阪・舞洲で懸命にバットを振る。明日の飛躍を誓い、静かに汗を流す日々だが、心は熱く燃えている。

「みんなが活躍する姿はうれしいですけど、自分の立場を考えると、そうは言っていられない。僕は自分が納得いくまで一生懸命やるだけです」

 その言葉は熱を帯びる。

写真=BBM
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