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オリックス・山下舜平大 想像を超える豪速球「原点を見つめ直すことは、よくあります」/わがチームの速球王

 


 バックネット裏に座るメジャーのスカウト陣も、思わず声を上げる剛球を披露する。山下舜平大の投じるストレートには、あふれんばかりのロマンが詰まっている。

「練習や調整では、まずはストレートを磨くことに重点を置いています。新しい変化球も覚えたいなと思うことも、もちろんありますけど、真っすぐの威力が強くないと、それは生きてこない。基本を大切にというか、原点を見つめ直すことは、よくありますね」

 2020年秋のドラフトで1位指名を受けて福岡大大濠高から入団。ドラフト指名時には、持ち球がストレートとカーブの2種類のみというが話題となった。プロ1年目の2021年は、主に体づくりに専念。2年目の昨季はファームで先発投手としての経験を積んだ。一軍マウンドを経験することなくシーズンを終えたが、ポストシーズンでは出場メンバー入りし、ベンチ入りしてブルペンでも待機した。緊迫の空気を味わい、着々とデビューに備えてきた。

 高卒3年目の今季は、3月時点で20歳ながら開幕投手に大抜擢された。堂々とマウンドに君臨し、力のある直球を披露。前半戦で8勝をマークした最速160キロ右腕は、選手間投票で初のオールスターゲーム出場も果たした。球宴では第2戦で先発投手に“指名”され、2回1安打無失点で敢闘選手賞を獲得。18球中17球で直球を投じ、ファンを沸かしてみせた。登板前には「ストレートで押していけたら。もともと、直球しかないようなものなので(笑)」と照れていたが、ファンの想像を超える豪速球で魅了した。

写真=BBM
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